Harbeth HL COMPACT7 ES-3 試聴記。
イギリスのオーディオブランド、ハーベス社/Harbethは、1997年にH・ダッドリー・ハーウッドによって設立されました。
ハーウッドは振動板の新素材(ベクストレーンやポリプロピレンなど)開発の一員で、“BBCモニター”の体系の構築メンバーの一人でした。
設立当初はBBC向けのモニタースピーカーの生産をしていましたが、1987年に会社をアラン・ショーに譲ってからは民生用システムの設計販売を始めました。
同年2ウェイ・スピーカー HL Compactを発表し、現在に続くロングセラーとなっています。
Harbeth HL-Compact 7ES-3
1994年 HL Compact7を発表。2003年 HL Compact 7ES-2へと進化。
さらにブラッシュアップしたヴァージョンが、HL Compact 7ES-3となりました。
エンクロージャーにおける音のふるまいをコンピューター解析。
薄い木材を使用したエンクロージャーの応答性を最適にチューニング。
内部の強化用ブレージングを排し、瀝青でダンプニングする方法で、再チューニングすることで、トランジット特性のさらなる向上を図っています。
バスレフポートを長めに取り、ポート共振周波数を下げ、低域のレスポンスを向上させ、中音域の力感をアップさせています。
中低域ドライバー・ユニットは、RADIALTMを更に進化させたRADIAL2を採用。
高域は、25mm口径のアルミニウム・ハード・ドーム型を採用。エッジは、合成樹脂を使用し、音崩れのない鮮やかな高域再生を実現。
専用の木製スタンド HSS-7Cも用意されています。
この専用スタンドも含めて音の鳴り方をトータルに決定しており、スタンドの同時購入をお薦めいたします。
専用のゴムのインシュレーターも付属しています。これを、敷くか否かで相当な音の変化が出て来ます。
色々なCDを使って試聴いたしました。
パコ・デ・ルシアの大きなホールでのライヴ録音では、冒頭の激しい拍手の嵐で、ここが広く大きなホールだという事が分ります。続いて演奏されるフラメンコ・ギターのスピード感と力強さ溢れる音は、目の前で聴いている感覚になりました。アコースティック楽器の箱鳴りまで表現しています。
イギリスの作曲家ウィリアム・バードの曲を演奏する古楽アンサンブルと歌手のエマ・カークビーは、正にこのスピーカーにドンピシャの相性でした。小ぶりなホールや教会の中で聴いている感覚になりました。
スピーカーの周りに響きのよい音が取り囲むように鳴り響き、その真ん中にエマ・カークビーの透き通った歌声が浮かび上がりました。
弦楽アンサンブルにピッタリのスピーカーですが、マイルス・デイヴィスの「The Man With The Horn」のようなベースが強力に鳴り響きエッジの立ったエレクトリックな演奏は、どうなのか?
予想を裏切り(良い意味で)迫力のある鳴り方をしていました。マーカス・ミラーのエレクトリック・ベースが重量感を持って響きます。マイルスのトランペットの響きも鮮明に捉えていました。管の中まで覗き込んだような感じがしました。
続いて、Stereo SoundのSACD「J.S.Bach:無伴奏チェロ組曲~シュタルケル(cello)」では、まずは、ゴムのインシュレーターを外して試聴し、続いてインシュレーターを敷いた状態で聴き比べをしてみました。
外した状態では、カチっとした響きでしたが、敷いて聴くとぐっと音の広がりと響きが豊かになり、チェロの胴鳴りも表現して来ました。教会の空間感もより感じられて来ました。
販売価格
\198,000(1本/税抜き)
専用スタンド HSS-7C
\68,000(ペア税抜き)
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tel 0835-21-5555