DIATONE 「DS-4NB70」 プレミアム試聴会。レポート
7/8.9と、今秋発売予定の話題のスピーカー「DIATONE 」 プレミアム試聴会を開催。
三菱電機エンジニアリング(株)の佐藤プロモーターを迎え、
拘りのポイントを徹底的にデモンストレーションを行って頂きました。
DIATONE 70周年の節目の年に、
同社の最先端技術を搭載した小型ブックシェルフ型2Wayスピーカーが登場いたしました。
4月のプロトタイプの試聴では、まだ型番も決まっていませんでしたが、
今回の試聴会では「DS-4NB70」と名付けられて我々の前に姿を見せました。
「高速・等音速」をメインコンセプトに、拘りが随所に詰まった渾身のスピーカーの誕生です。
改めて簡単に仕様のご紹介を。
(スピーカーの仕様よりイベントレポートは下面へスクロールください。)
ユニット
液晶ポリマー振動板を基にした最新の「NCV-R(ナノ・カーボナイズド・ハイベロシティ)振動板」を採用。
NCV-Rは、カップ積層型カーボンナノチューブ「CSCNT」をベースに、
厳選されたその他の樹脂との配合により新開発された振動板。
剛性を強め余分な共振を抑え、チタンを凌ぐ伝搬速度6,300m/sを達成。
ハイスピード/ハイレスポンスにて空気を振動させてます。
この新素材振動板をウーファー、ツィーター統一で使用していることも印象的なアプローチです。
ユニットとバッフルを固定するビスを国産のチタンにすることで、更なる音質の向上を実現したと聞きます。
磁気回路
磁気回路には、ダブルネオジウム磁気回路を採用。
アルニコやフェイライトに比べ減磁しづらく、半永久的ともいえる耐久性を誇るネオジウム。
高磁束密度を維持しながら磁気歪み特性の低減化を実現。
磁気回路のプレートを内周から外周にかけてカットすることで、
プレートを流れる右回り/左回りの過電流の値を同一化する新開発技術「ECCT」を採用。
DIATONE往年の技術となる、フレームに亜鉛ダイキャストのマグネットカバーを組み合わせる「DMM構造」も採用。
磁気回路とフレームを一体化し、磁気回路部の微細な振動まで完全に抑えこみ、入力エネルギーを損失なく振動板へ伝達できます。
ネットワーク
ウーハー用のコイルは国内でと拘った仕様の大型カットコア。
「秘伝とタレ」と比喩された同社伝統のワニスを120度に熱しコイルを約10時間含浸、乾燥を約8時間。。
熱処理を施し、こちらも徹底的に振動を抑制したとのこと。
内部配線は弊社でも人気のケーブルブランド「英国CHORD」社の製品を使用。
入念なテストによりこちらに決まったそうです。
その他仕上げ等 仕様
フロントバッフルにはフィンランドバーチを36mm厚で採用。
カーボンブラックにて高級感溢れるピアノ塗装は、浜松の職人の手作業による6回塗り。
丁寧なバフ仕上げにより上質な趣を醸し出しています。
音質の向上に大きく貢献しているとのこと。
外径寸法 270W×473H×280Dmm
質量 17kg。
出力音圧レベル 88dB
インピーダンス 4Ω。
それでは、試聴会風景をダイジェストにて。
進化したDIATONEサウンドをお客様にお届けするため、
前日からの入念にセッティングセッティングを追い込むメーカー様と弊社社長。
試聴会で使用したシステム
スピーカー:DIATONE DS-4NB70
プリメインアンプ:Accuphase E-600
CDプレーヤー:Accuphase DP-560
アナログプレーヤー:LUXMAN PD-171 A
カートリッジ:DENON 103 R
フォノイコライザー:Phasemation EA-300
DAC:Nmode X DP-10
パワーコンディショナー:Isotec EVO 3 SIGMAS
NAS:I・O DATA fidata HFAS1-H40
二日間で三度の試聴会は、復活したDAITONEへの期待度、注目度の高さから、
毎回満員のお客様でオーディオ・ルームは熱気が溢れていました。
(オーディオと関係ないことでもありますが、プレゼンに使用されたoptomaの小型プロジェクターが気になりました。笑)
前回の試聴でも感じた奥行き感がさらに増した音場の広さと、前に出る迫力、クリアーで緻密な音の表現はさらに磨き上げられていました。
試聴レポート
(一曲全てとはいきませんが)
ヨアヒム・キューン(p)トリオの演奏は、ドラムのダニエル・ユメールが叩き分けるシンバルの打音やそれに続く持続音の一つ一つの細かな変化がハイスピードで、そして繊細に聴き手に迫って来ました。
一打ごとの微妙な違いの表現力と、立ち上がりの速さは、他の追従を許さないのではないでしょうか。
このクリアーで迫力のある生々しい表現にお客様も驚きの表情を隠せませんでした。
超越したギターテクニックを披露するDUO。
メキシコ出身のギター・デュオ。
ロドリーゴ・イ・ガブリエーラが2008年に発表した2枚目のライブ・アルバム。
スピーカーの存在は消え演奏者が目の前にイメージされます。
身の毛がよだつ試聴体験とはこのことを言うのでしょうか。
曲が終わった時に、静かなため息が出るほど演奏に惹き込まれます。
こちらは、32フィート菅から出される16Hzの重低音をノンカットで収録されたという注目の一枚。
(米Dorian Recordingsの名録音。)
ムソルグスキー『展覧会の絵』、ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』組曲 ジャン・ギユー(オルガン)
ジャン・ギユーによるオルガンの圧倒的なテクニックと相まり、
スピーカー背面の一体に広がるこの奥行き感は衝撃的な音体験でした。
ビル・エバンス ワルツ・フォー・デビィーでのあの有名なシーン、
ビレバンの地下を通る電車の音(約40db)の再生音もしっかりと、
その時をシンクロさせてくれるようなリアリティにて、確認することができました。
ハイレゾ音源の「ベートーヴェン:交響曲第4番」では、一瞬音が消え次に移るとき、
指揮者のタクトが振られる雰囲気と、それに続く各楽器間の立ち上がりのかすかな時間差までもが感じられ聴こえて来ました。
日本人ピアニスト野村稔 氏 演奏「ラ・カンパネラ」。
迫真迫るトリルもDIATONEのスピード感により楽器の存在が消され、
本当に目の前で演奏が行われているよう自然に感じられました。
他にも多数、氏の幅広い趣味性も現れた選曲の数々は、このスピーカーの特性を効果的に、分りやすく理解させてくれるものでした。
バリエーションに富んだ選曲のユニークさも今回の試聴会の楽しさの一つでした。
スピーカーの構造や、素材に関する解説も、我々にも分りやすく、
ここでは書くことの出来ない非公開事項も含めた佐藤氏のお話しは、
シリアスな内容は当然ながら、オーディオマニアなら思わず笑みもこぼれる話までと幅広く、
氏の人柄のよく現れたイベントの進行に、詰めかけた満席のお客様も、思わず引き込まれておられました。
DS-4NB70は、コンパクトサイズなので、お部屋も選ばず、能率面でも必ずしもハイパワーのアンプを必要としません。
ジャズ、クラシック、ポピュラー等々の区別なく高い表現力を持ち、多くのオーディオファン、音楽ファンにお薦めのスピーカーです。
お客様から「ブックシェルフのスピーカーとしては、最高なのでは。。」とのお言葉も頂戴いたしました。
8月末に発売の発表が行われ、9月末に販売開始となります。
予価。¥1,000,000(税抜)
TIGRONと共同開発となる専用スタンドも発売予定とのことです。
ご予約/ご相談等はこちらまで御願い致します。
*新しい中古LPが入荷いたしました。
今回は、通好みのジャズLPも混ざっております。お早めにどうぞ。